|
ストライダー
Strider
|
|
波動砲を持たない、空飛ぶ破壊者
|
1. 波動砲時代の“落第生”ストライダー
地球連合軍が開発した次元戦闘機R-9A(アロー・ヘッド)は各地でめざましい戦果をあげ、軍部ではさらにパワーアップした後継機を望む声が高まっていた。当時、さまざまな後継機の開発計画が進行していたが、その中でもR-9Aの巡航性能を強化し、敵陣深くまで進入できる戦闘機として造り出されたのがこの「R-9B1“ストライダー”」である。設計段階ではR-9A同様に波動砲を搭載した機体であったが、巡航性能を向上させるために武装の大幅な削減が必要となり、試験的ではあるが波動砲が外されることとなった。 (今となっては信じがたいことだが、当時はさまざまな種類の後継機が開発されていたため、いろいろな実験的試みが実施されていた。ストライダーについても、実際の戦闘結果をもとに、必要であれば波動砲の搭載を再検討するつもりだったようである) しかし、戦場では波動砲を搭載した戦闘機が勝利を重ね、時代はまさに「波動砲時代」へと突入していた。その中で、波動砲を持たないストライダーは、当初は偵察機代わりとして使われていたようだが、徐々に活躍の場を失い、そして、人々の記憶から忘れられていった。 |
2. 破壊兵器バルムンクとの出会い
時を同じくして、グランゼーラ革命軍では新兵器の開発計画が極秘裏に進められていた。地球連合軍のフォースに対抗し、さらに一撃で戦況を変えられるような強力な兵器の開発である。軍の技術開発局では日夜を問わず研究が進められ、数年の歳月が経過したのち生み出されたのがミサイル兵器「バルムンク」である。このバルムンク、当時はまだ試作型であったにも関わらず圧倒的な破壊力を誇り、その威力は艦首砲並とも言われた。しかしその規格外の重量により、波動砲を備える戦闘機では重量オーバーにより搭載することができず、かといって偵察機などの小型機ではその重量を支えることができなかった。軍部の開発担当者は、ようやく造り上げたこの破壊兵器の扱いについて頭を抱え、一時は戦闘機への搭載を断念して艦船へ搭載することも検討された。 そんな時、元地球連合軍の機体開発担当者からの提案により、ある戦闘機がリストアップされる。戦闘機並の兵器の搭載が可能で、かつ波動砲を備えていない機体。 そう、ストライダーである。 |
|
3. 軍部からの否定的な意見
ストライダーへのバルムンク搭載計画はすぐに進められた。しかし、ストライダーは地球連合軍にいわば“見捨てられた”機体であり、ストライダーを戦場に送り込むことに対して軍内部では賛否が分かれた。さらにバルムンクの規格外の重量により、波動砲を持たないストライダーでさえ搭載できる弾数はたった一発だけであることが判明した。いくら破壊的な威力を持つとはいえ、たった一度しか攻撃できない兵器を搭載することに対して、軍内部では否定的な意見が大部分を占めた(当のストライダー開発部隊でさえ否定的な意見であった)。だが、バルムンクの研究・開発チームはこの計画の成功を確信していた。たとえ一度しか攻撃できなくとも、その一発が高い命中精度によって確実に敵を捉え、さらに捉えた敵を圧倒的な威力で破壊することができれば、それだけで十分に敵の脅威になり得ると。 むしろ、一発で十分だと。 |
4. そして生まれた“ストライダー伝説”
バルムンク研究・開発チームの熱意と、頑ななまでの強固な姿勢に軍部も根負けし、ストライダーへのバルムンク搭載が決定した。たった一発のバルムンクを搭載して、ストライダーはグランゼーラ革命軍の一員となったのである。そして実際に戦場へと舞い戻ったストライダーは、否定的な意見を吹き飛ばすような大活躍を見せ、多くの戦闘においてめざましい戦果をあげた。軍部の悲願であったバルムンクは、その圧倒的な破壊力によって一発で戦況を変え、「バルムンクの発射音が聞こえるとその戦いが終わる」とさえ言われた。 また、一定時間のチャージが必要な波動砲とは異なり、補給さえすれば立て続けにバルムンクを撃ち続けることができるストライダーの名は一躍地球連合軍側にも知れ渡り、その名を聞くだけで恐怖で戦意を喪失する者さえいた。 失敗機と嘲笑われ、その存在を忘れ去られていた“落第生”ストライダー。 今ではストライダーを馬鹿にする者は誰もいない。 |
|
切っても切れない絆
ストライダーの一番の武器であるバルムンクは、波動砲と違ってチャージが不要なため、いかに早く、間隔を空けずに攻撃し続けられるかが勝負のカギとなります。そのため、彼らは発射後できるだけ早く次のバルムンクを補給しなければならず、そこでわざわざ艦船に戻っていては遅れをとることになります。そこで私たち補給機の登場です。私たちが彼らの側に付いていれば、彼らはいつでも兵器を補給することができ、立て続けに攻撃できます。バルムンクが連続して襲い掛かってくるなんて、敵軍からすると悪夢のような光景だと思いますよ(笑)。 私たち補給機の一番の任務は、第一線で戦う戦闘機に燃料や兵器を補給することです。戦闘機のパイロットの中には、補給だけでなく機体の修理もまとめて行うことができる艦船を好み、私たちに見向きもしない者もいます。ただし、ストライダーは違います。彼らはいつも私たちに最高の敬意を払ってくれます。これはあまり大きな声では言えませんが、彼らは戦いが終わると、必ず私たちに一杯のスコッチをご馳走してくれるのがもう何年も続くならわしとなっています。 最強の爆撃機ストライダー。 これからも戦場では私たち補給機が、少し後方から彼らを支え続けていくことでしょう。 補給機パイロット オリヴィエ・クーペ談
|
戦場ジャーナリスト ケヴィン・モレール
- 年齢:29歳
- 出身地:北半球の都市ノートニー
- 「自分の目で見たもの以外は何も信じない、多分すべて嘘だから」という極端な信念を胸に戦場を駆け回るジャーナリスト。他人など絶対に信頼しないと嘯くが、情に厚く、涙もろい。趣味は各国の田舎巡り。ジャパンで食べた「ソバメシ」の味が忘れられない。
ストライダーの一番の武器であるバルムンクは、波動砲と違ってチャージが不要なため、いかに早く、間隔を空けずに攻撃し続けられるかが勝負のカギとなります。そのため、彼らは発射後できるだけ早く次のバルムンクを補給しなければならず、そこでわざわざ艦船に戻っていては遅れをとることになります。